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【専門家解説】タイの鼻スースことヤードム完全ガイド(初心者向け)

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タイ・バンコクの街角に降り立つと、湿気を帯びた熱気とともに、ハーブやスパイスの独特な香りに包まれます。そんなエネルギッシュなタイの日常で、現地の人がポケットやポーチから取り出し、スッと鼻に当てて深呼吸をする姿を見かけたことはありませんか。

あれこそが、タイの国民的リフレッシュアイテム「ヤードム(Ya Dom)」です。一見するとリップスティックのような形状で、「一体何を嗅いでいるの?」「怪しい薬ではないの?」と驚かれる方も少なくありません。しかし、その正体はメンソールやハーブを主成分とした、非常に実用的で伝統的な嗅ぎ薬です。

本記事では、初めてタイを訪れる方でも安心してヤードムを楽しめるよう、その効果や種類、そして近年特に注意が必要な「日本への持ち込みルール」まで、失敗を防ぐための情報をわかりやすく解説します。現地の雰囲気を味わいながら、タイならではの香り文化を紐解いていきましょう。

まさよし
まさよし

タイ国政府観光庁が認める「タイランドスペシャリスト」の資格を持ち、渡航歴50回以上、現地滞在10年以上を誇る「まさよし」が、本記事を執筆しました。長年の経験と現地で得た生きた情報に基づき、最新かつ正確な情報をお届け。タイの文化、食、マナーまで、あなたのタイ旅行を安心で充実したものにする専門家として、信頼性の高い情報提供に努めています。
詳しいプロフィールは「コチラ」をどうぞ!

この記事でわかること

  • 成分と効果
    怪しい薬ではなく、ハーブ由来の安心できるリフレッシュ用品であることがわかります。
  • 2in1機能の活用
    嗅ぐだけでなく、虫刺されや頭痛対策にも使える便利な機能を知ることができます。
  • 人気ブランド比較
    ポイシアンやパステルなど、自分や友人に最適な種類を迷わず選べるようになります。
  • 日本への持ち込みルール
    薬機法や数量制限を正しく理解し、税関トラブルを未然に防げます。
  • 大麻成分(Cannabis)の識別
    パッケージの注意点を知り、違法な商品を誤って購入するリスクを回避できます。
  • 現地流の使い方
    鼻に挿すスタイルの是非やマナーを理解し、スマートに使いこなせます。
  • マスク活用の裏技
    マスク生活や移動中の不快感を解消する、旅のプロおすすめのテクニックを持ち帰れます。

👇このあとの目次から、気になる項目をすぐにチェックできます。ピンポイントで知りたい情報がある方は、ぜひ活用してください。

タイで有名なヤードム(Ya Dom)とは?怪しい薬ではありません

ヤードムはタイ語で「ヤー(薬)」+「ドム(嗅ぐ)」を意味する、古くから親しまれている嗅ぎ薬です。コンビニや薬局のレジ横には必ずと言っていいほどカラフルなヤードムが並んでおり、価格も1本20〜30バーツ(約85〜130円)程度と非常に手頃です。決して怪しいものではなく、日本のリップクリームや目薬と同じくらい身近な存在です。

みんなの声
みんなの声

実際に使用した旅行者の多くは、「最初は抵抗があったけれど、一度使うと手放せない」「暑い中での観光中に嗅ぐと頭がシャキッとする」といった感想を持っています。SNSやブログでは、その安さと爽快感から「タイ旅行の必須アイテム」「自分用のお土産に最適」と評価される一方で、「匂いが独特で好みが分かれる」という声も見受けられます。

成分と効果:メンソールとハーブの力

ヤードムの主成分は、メンソール、樟脳(カンフル)、ボルネオール、ユーカリオイルなどの植物由来の精油です。これらを染み込ませたフィルターを通して香りを吸入することで、清涼感を得ることができます。

主な効果としては、鼻づまりの解消、眠気覚まし、気分転換、乗り物酔いの緩和などが挙げられます。タイの蒸し暑さでぼんやりした頭をスッキリさせたい時や、長時間の移動で気分が優れない時に、この強烈な清涼感が役立ちます。医薬品または医薬部外品のような扱いですが、現地の日常生活に溶け込んだリフレッシュ用品と言えるでしょう。

2つの機能:嗅いでリフレッシュ・塗って虫刺されケア

多くのスティック型ヤードムは、上下に分かれる「2in1」構造になっています。上部のキャップを外すと香りを嗅ぐための吸入用ノズルがあり、下部のタンク部分を回して外すと、中の液体(精油)を直接取り出せるようになっています。

この液体部分は、こめかみに塗って頭痛を和らげたり、蚊に刺された箇所に塗ってかゆみ止めとして使ったりすることができます。1本で「嗅ぐ」「塗る」の2役をこなす機能性の高さも、長く愛されている理由の一つです。

なぜタイ人はみんな持っている?現地の事情

タイでは、タクシー運転手からオフィスワーカー、学生に至るまで、老若男女問わずヤードムを携帯しています。これは高温多湿な気候に加え、バンコクの渋滞や排気ガスといった環境要因も関係しています。

不快な臭いを遮断し、少しでも快適に過ごすための知恵として定着しました。また、仕事や勉強中の集中力を高めるためのツールとしても重宝されています。現地のコンビニでは、まるでガムやお菓子のように気軽に購入できるため、常に携帯していないと落ち着かないという人も珍しくありません。

絶対に失敗しない!人気ブランド・種類別比較

ヤードムには数多くのブランドがあり、それぞれ香りや強さ、デザインが異なります。初めての方はどれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。ここでは、お土産としても人気が高く、日本人が使いやすい代表的なブランドを厳選してご紹介します。

みんなの声
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旅行者の間では、「ポイシアンはどこでも買えて安心」「ペパーミントフィールドは香りが優しくて使いやすい」という意見が主流です。最近では、K-POPアイドルの影響で特定のブランドが爆発的に売れたり、デザイン性の高い新しいタイプのヤードムを商品のパッケージデザインに惹かれて「パッケージ買い」したりする傾向が強まっています。

定番中の定番「Poy-Sian(ポイシアン)」

タイで最も有名なブランドといえば「Poy-Sian(ポイシアン)」です。白地に赤や青のリングが入ったデザインが特徴で、どこのコンビニでも必ず見かけます。

香りはメンソールが強めで、ガツンとした清涼感が特徴です。「これぞタイのヤードム」という王道の香りを体験したい方におすすめです。価格も手頃で、バラ売りから6本セットまで幅広く販売されています。迷ったらまずはこれを選べば間違いありません。

女性に人気「Peppermint Field(ペパーミントフィールド)」

「Peppermint Field(ペパーミントフィールド)」は、ポイシアンに比べてメンソールの刺激がやや控えめで、アロマのような香りが特徴です。パッケージもシンプルで洗練されており、特に女性やヤードム初心者から支持されています。

独特の薬っぽさが抑えられているため、食事の後や仕事の合間にさりげなくリフレッシュしたい時に最適です。オレンジオイル配合のタイプなど、香りのバリエーションも展開されています。

BLACKPINKリサ愛用で話題「Hong Thai(ホンタイ)」

伝統的な「ハーブそのもの」を楽しみたい方におすすめなのが、「Hong Thai(ホンタイ)」です。緑色のボトルに入った壺型タイプで、中には乾燥させたハーブが詰め込まれています。

BLACKPINKのリサさんが愛用していることが話題となり、若者の間でも人気が急上昇しました。液体タイプよりも香りがマイルドで奥深く、人工的な香りが苦手な方でも馴染みやすいのが魅力です。蓋を開けて鼻を近づけるだけで、ハーブサウナにいるような癒やしを感じられます。

キャップを無くさない最新型「Pastel(パステル)」

最近のトレンドとなっているのが「Pastel(パステル)」ブランドです。従来のスティック型はキャップを紛失しやすいという欠点がありましたが、このブランドは片手でスライドして開閉できる一体型のデザインを採用しています。

パステルカラーの可愛らしい見た目と、ポケットに入れても邪魔にならない機能性が若者に受けています。香りにはイランイランなどが配合されており、フルーティーで華やかな印象です。自分用はもちろん、友人へのおしゃれなお土産としても喜ばれます。

【重要】日本への持ち込みと法律(薬機法・大麻取締法)

ヤードムを購入する際、最も注意しなければならないのが日本への持ち込みに関するルールです。タイでは合法で販売されているものでも、日本の法律では規制対象となる場合があります。トラブルを未然に防ぐため、必ず以下の点を確認してください。(情報は2025年12月3日時点のものです)

みんなの声
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「お土産に大量に買って帰ろうとしたが、個数制限があることを知って焦った」「大麻成分入りのものが普通に売られていて驚いた」という声が聞かれます。知らずに違法なものを持ち込んでしまうリスクを避けるため、パッケージの確認や購入量の調整を慎重に行う旅行者が増えています。

「大麻(Cannabis/Hemp)」マーク入りは絶対NG

2022年の大麻解禁以降、タイ国内では大麻成分(CBDやTHCなど)を含んだ製品が一般的に流通しています。ヤードムにも大麻の香りや成分を含んだ商品が存在し、コンビニ等で通常のヤードムの隣に陳列されていることがあります。

パッケージに麻の葉のイラストや、「Cannabis」「Hemp」「Ganja」「Weed」といった表記があるものは、日本では大麻取締法に抵触する可能性が極めて高いです。誤って日本へ持ち込むと処罰の対象となりますので、購入時は必ずパッケージを確認し、疑わしいものは絶対に購入・持ち込みをしないでください。

「覚醒剤原料」の誤解と現在の安全性

過去、海外製の吸入薬(Vicks等)に「L-デソキシェフェドリン」という成分が含まれており、これが日本の覚醒剤取締法で禁止されている成分であることから問題視されたことがありました。

しかし、現在タイの主要な市販ブランド(Poy-Sian、Peppermint Fieldなど)には、通常この成分は含まれていません。正規のルートで販売されている有名ブランドのものであれば、成分的な安全性は高いと言えますが、念のため成分表に不安な記載がないか確認するか、信頼できる店舗で購入することをお勧めします。

個人輸入の数量制限と「バラマキ土産」のリスク

ヤードムは日本の薬機法(旧薬事法)において、医薬品や医薬部外品とみなされる可能性が高い製品です。海外の医薬品等を日本へ持ち込む場合、「個人が自分で使用する分量」に限って認められています。

一般的な外用剤の目安としては「標準サイズで1品目24個以内」とされていますが、これはあくまで自分自身や家族が使うための特例です。友人や同僚へ配るための「譲渡」や「転売」は、たとえ無償であっても法律違反となるリスクがあります。「安くて大量に買えるからバラマキ土産にしよう」と考えるのは避け、自分用として楽しむ範囲に留めるのが最も安全です。

現地流の正しい使い方とマナー

ヤードムを手に入れたら、現地の人のようにスマートに使いこなしたいものです。しかし、文化的な背景を知らずに真似をすると、思わぬ誤解を招くこともあります。ここでは、心地よく使うためのちょっとしたコツとマナーをご紹介します。

みんなの声
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「鼻に突っ込んだまま歩いている人を見て衝撃を受けた」という体験談はタイ旅行あるあるの一つです。一方で、「人前で鼻の穴に入れるのは少し恥ずかしいので、隠れてこっそり嗅いでいる」「マスクにつけると快適」といった、日本人ならではの工夫や適応術も共有されています。

「鼻に挿しっぱなし」はあり?なし?

タイの街中では、ヤードムを鼻の穴に挿したまま作業をしたり、運転をしたりしている人を見かけることがあります。これは主に年配の男性やタクシー運転手、市場のおばちゃんなどに見られるスタイルで、現地の日常風景の一部です。

しかし、現地の若い女性やフォーマルな場にいる人がこれを堂々と行うことは稀です。あくまで「気取らない庶民のスタイル」ですので、旅行者が人前で真似をして鼻に挿したまま歩くのは、マナーや見た目の観点からあまりお勧めできません。サッと嗅いでポケットにしまうのがスマートです。

マスクやハンカチに染み込ませる裏技

直接鼻に近づけるのが強すぎると感じる場合や、もっとさりげなく香りを楽しみたい場合におすすめなのが、マスクやハンカチへの活用です。

ヤードムの下部タンクから液体を少し取り出し、マスクの外側(顎のあたり)やハンカチに1〜2滴垂らします。すると、呼吸をするたびにほのかなミントの香りが広がり、マスク着用時の蒸れや息苦しさを軽減してくれます。これなら周囲に気づかれることなく、自分だけの快適な空間を作ることができます。

使い終わった後の捨て方と使用期限

ヤードムはずっと使えるわけではありません。使用頻度にもよりますが、数ヶ月経つと徐々に香りが弱まってきます。香りがしなくなったり、変質したような匂いがしたりしたら買い替えのサインです。

基本的にはプラスチック製品ですので、捨てる際は自治体の分別ルールに従ってください。また、未開封であっても使用期限(EXP)がパッケージに記載されています。購入時には期限を確認し、新鮮な香りのうちに使い切るようにしましょう。

よくある質問(Q&A)

タイ旅行で初めてヤードムに触れる方が抱きがちな疑問について、実用的な視点から回答をまとめました。

Q1. 子供や妊婦が使っても大丈夫ですか? A. 慎重な判断が必要です。ヤードムに含まれるカンフル(樟脳)やメンソールは刺激が強いため、特に2歳未満の乳幼児には使用を避けることが推奨されています。妊婦の方についても、特定の精油成分が体調に影響を与える可能性があるため、使用前に医師に相談するか、使用を控えるのが無難です。

Q2. 毎日使っても副作用や中毒性はありませんか? A. 通常の使用範囲であれば、身体的な依存性や重篤な副作用の心配はほとんどありません。ただし、頻繁に嗅ぎすぎると鼻の粘膜が乾燥したり、荒れたりすることがあります。また、あくまで「清涼感による習慣性(クセになる)」ものであり、薬物的な中毒性はありませんが、適度な使用を心がけましょう。

Q3. 飛行機の機内に持ち込めますか? A. はい、持ち込めます。ただし、ヤードムの下部は液体扱いとなるため、国際線の機内持ち込みルール(100ml以下の容器に入れ、容量1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れる)に従う必要があります。容量は通常2〜3ml程度ですので、他の化粧品類と一緒に袋に入れれば問題ありません。

Q4. 液体が目に入ってしまったらどうすればいいですか? A. 誤って目に入ると激しい痛みを感じます。こすらずに、直ちに大量の水道水で洗い流してください。メンソール成分による刺激はしばらく続きますが、洗浄しても充血や痛みが引かない場合は、現地の病院または帰国後に眼科を受診してください。

Q5. コンビニとスーパー、どこで買うのがお得ですか? A. 1本だけすぐに欲しい場合はコンビニが便利ですが、価格は定価(20〜30バーツ)がほとんどです。お土産用に6本セット(1パック)などをまとめて安く買いたい場合は、Big CやLotus’sなどの大型スーパー、またはマツモトキヨシやBootsなどの薬局で購入するのがお得です。

まとめ:タイの香りをポケットに、安全で快適な旅を

ヤードムは、年中暑いタイで人々が快適に過ごすために生み出した、生活の知恵そのものです。最初は独特の香りに驚くかもしれませんが、蒸し暑いバンコクの街中でひと嗅ぎすれば、その爽快感にきっと助けられるはずです。

ただし、「日本への持ち込みルール」と「大麻成分の確認」だけは、ご自身と大切な人を守るために徹底してください。法的なポイントさえ押さえれば、数百円で現地の文化を体験できる、これ以上ない旅の相棒となります。

次回のタイ旅行では、ぜひお気に入りの一本を見つけて、現地の空気とともにポケットに入れて持ち歩いてみてください。その香りは帰国後も、楽しかった旅の記憶を鮮やかに呼び起こしてくれるでしょう。

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