【専門家解説】タイの「お金」完全ガイド｜通貨の単位・種類・使い方

タイ旅行で「お金」に関する不安、抱えていませんか？現地での支払い方法、両替のベストなタイミング、1日あたりの予算感まで──タイが初めての方ほど、事前に知っておくべき情報が多くあります。

この記事では、タイ国政府観光庁公認の「タイランドスペシャリスト」の私が、旅先で失敗しないためのお金の基礎知識を網羅的に解説。

高額紙幣の扱いや、屋台でスムーズに支払うためのコツなど、実用性の高いヒントも多数盛り込んでいます。初めてでも安心して楽しめる、賢くて快適なタイ旅行の計画に、ぜひお役立てください。

【この記事でわかること】

• タイ旅行の予算の立て方
  宿泊費や食費、交通費など、旅行にかかる基本的な費用感を把握し、無理のないプランを立てられます。
• 両替で損しないための具体的な方法
  空港と市内のどちらが得か、レートの見方や小額紙幣の受け取り方など、初心者でも安心できる両替術がわかります。
• 現地での支払い方法の使い分け
  現金・クレジットカード・デビットカードなど、それぞれの特徴と使うべき場面が明確になります。
• タイの物価感覚と節約術
  食事や観光の費用目安に加え、ローカルならではの節約テクニックも紹介。コスパ重視の旅行計画に役立ちます。
• 旅行中の金銭トラブルを回避するコツ
  スリ・詐欺・偽札など、実際に起こりやすいトラブルへの具体的な対策方法を学べます。
• タイバーツの紙幣と硬貨の見分け方
  現地でよく使うお金の種類と特徴、小額紙幣が必要な場面も把握でき、スムーズな支払いが可能になります。
• 体験談から学ぶリアルな旅行ノウハウ
  他の旅行者の失敗や成功例を通して、実際の旅に即した行動のヒントが得られます。
• 旅行前にチェックしておきたいQ&A
  「これって大丈夫？」という素朴な疑問にタイ専門家が具体的に答える、安心感のある情報を収録しています。

👇このあとの目次から、気になる項目をすぐにチェックできます。ピンポイントで知りたい情報がある方は、ぜひ活用してください。

タイ旅行の「お金」準備！予算の立て方と全体像を把握しよう

旅行の予算は、安心して楽しむための土台です。ここでは、宿泊費、航空券代、食費、交通費など、タイ旅行にかかる主要な費用の目安をわかりやすく整理しました。事前に全体像を掴むことで、現地での無駄な出費や不安を減らすことができます。

1泊あたりの宿泊費目安：ホテルタイプ別料金相場

タイでは宿泊の選択肢が豊富です。安さ重視ならゲストハウスが1泊500〜1,500バーツほどで見つかり、交流のある旅を楽しめます。中級ホテルは3,000〜8,000バーツが相場で、快適さと立地のバランスが魅力。高級ホテルは8,000バーツ以上と高めですが、プールやスパ付きでラグジュアリーな時間が過ごせます。立地によって価格が変わるため、駅近など利便性も予算に合わせて検討しましょう。

航空券代の相場：賢く予約する時期と方法

日本〜タイの往復航空券は、利用する航空会社と時期によって大きく異なります。LCC（格安航空会社）なら5万円前後、フルサービスの航空会社では7〜12万円が目安。年末年始や大型連休は価格が上がる傾向があるため、3〜4か月前の予約がおすすめです。価格比較サイトを活用し、早期購入やキャンペーンを見逃さないのがコツです。

食事代の目安：屋台からレストランまで

屋台のパッタイやカオマンガイは50〜150バーツで楽しめ、1日3食でも500バーツ以内に抑えることが可能です。中級レストランでは1食200〜500バーツほど。特別な食事を楽しみたいときは、ルーフトップバーや高級店で1,000バーツ以上になることも。旅の満足度を左右する食体験には、ある程度の予算を確保しておきたいですね。

交通費の目安：市内移動から長距離移動まで

バンコク市内ではBTSやMRTなどの電車が1回17〜62バーツ程度で便利です。タクシーは初乗り35バーツからで、渋滞時には時間と料金が増える点に注意。Grab（配車アプリ）も定額表示で安心です。都市間移動では、国内線航空券が片道1,000〜2,000バーツ前後、寝台列車や長距離バスはさらに安価に利用できます。

観光・アクティビティ費：入場料と体験料金

ワット・プラケオやワット・アルンなど有名寺院の入場料は100〜500バーツ。マッサージは1時間300〜800バーツが目安です。伝統舞踊ショーや川クルーズなどのアクティビティは1,000〜3,000バーツと幅があります。日々のスケジュールに合わせて、事前に予約や価格確認をしておくと安心です。

お土産代・その他雑費の確保

ドライマンゴーやタイシルク製品など、バラマキ系お土産は意外と嵩みがち。相場は1,000〜5,000バーツ程度で、交渉次第で値引きも可能です。また、コンビニでの飲み物購入やトイレ使用料（2〜5バーツ程度）、チップなどの小さな支出も日々積み重なります。現地通貨の少額紙幣も、あらかじめ準備しておくとスムーズです。

タイバーツの種類と単位、そして賢い使い方：知っておくと便利な紙幣と硬貨

タイ旅行中、現金での支払いは避けられません。紙幣や硬貨の種類を事前に知っておくことで、屋台での支払いやお釣りの受け取りもスムーズになります。このセクションでは、タイの通貨の単位や使い方のコツを解説します。

タイの通貨単位：バーツ（฿）とサタンの基本

タイの通貨単位は「バーツ（Baht/バート）」で、記号は「฿」です。さらに補助単位として「サタン（Satang/サタン）」があり、1バーツ＝100サタン。ただし、サタン硬貨は日常で使う機会が非常に少なく、観光客の多くはバーツ単位だけで問題なく過ごせます。価格表示も通常はバーツ単位で表記されています。

タイの主要紙幣の種類とデザイン（20バーツ、50バーツ、100バーツ、500バーツ、1000バーツ）

紙幣は色分けされており、視覚的にも見分けやすいのが特徴です。20バーツ（緑）、50バーツ（青）、100バーツ（赤）、500バーツ（紫）、1000バーツ（茶）の5種類があり、肖像画は現国王または前国王が描かれています。紙幣のサイズは金額に応じて異なり、大きい金額ほどサイズも大きくなっています。

タイの硬貨の種類と使い分け（1バーツ、2バーツ、5バーツ、10バーツ、サタン硬貨）

硬貨には1バーツ、2バーツ、5バーツ、10バーツの4種類が主に流通しています。1バーツと2バーツはサイズが似ており間違えやすいため注意が必要です。10バーツ硬貨は高頻度で使われる一方、25サタンや50サタンなどの小額硬貨はスーパーの端数調整などでまれに出される程度。見かけたら旅の記念程度に考えておくとよいでしょう。

小額紙幣・硬貨が活躍する場面：屋台や交通機関でスムーズに

屋台やローカル食堂、バス運賃の支払いでは、小額紙幣（20・50バーツ）や1〜10バーツの硬貨が大活躍します。特に屋台では1,000バーツ札などの高額紙幣ではお釣りが用意できないことが多く、購入を断られる場合もあります。事前に小額紙幣を用意しておくことで、スムーズなやり取りができ、トラブルを避けられます。

お釣りを受け取る際の注意点：偽札の見分け方と確認のポイント

稀に流通する偽札は、100バーツや500バーツ札で報告されることがあります。受け取った際には、透かしやホログラムがあるか、紙質が極端に薄くないかを軽くチェックしましょう。違和感があればすぐにその場で確認を。信頼できる店や両替所を利用することで、偽札リスクを大幅に減らせます。

現地で両替する際の紙幣の組み合わせリクエスト

両替時に1,000バーツ札ばかり渡されると使いづらいため、「Please give me small bills.（小さい紙幣でお願いします）」と伝えるのがポイントです。特に最初の両替では、100〜500バーツ札を多めに入れてもらうと、屋台やタクシーでの支払いがスムーズです。混雑していない時間帯であれば、柔軟に対応してくれるケースが多いです。

タイバーツの賢い両替術！失敗しない場所・タイミング・方法を徹底解説

タイ旅行での両替は、旅のスタートを左右する重要ポイント。ここでは、両替場所の選び方やレートの見極め方、避けたいタイミングや高額紙幣への注意点まで、現地を熟知した立場からわかりやすく解説します。

日本国内での両替：メリット・デメリット

出発前に日本である程度のバーツを用意しておくと、到着後すぐに安心して行動できます。特に早朝・深夜の到着便や、初日の移動が長い場合には有効です。ただし、一般的に日本でのレートはタイ国内より不利な傾向があるため、必要最小限（1,000〜3,000バーツ程度）に留め、残りは現地での両替をおすすめします。

タイ現地での両替：空港と市中のおすすめ両替所

空港到着後はすぐにバーツが必要になる場面も。便利なのはスワンナプーム空港1階の両替所群ですが、レートはやや割高。よりお得に両替したい方には、市内にある「スーパーリッチ」などの両替専門店が人気です。BTSチットロム駅やパヤタイ駅周辺に複数あり、スタッフの対応もスムーズ。金額が大きい場合は市中の両替所を活用しましょう。

空港到着後、どこで両替すべき？

深夜到着や初めての訪問では、空港内での両替が安心です。スワンナプーム空港の両替所は、地下（エアポートリンク駅の近く）にある両替所（特にSuperRichなどの大手両替所）の方がレートが良い傾向にあります。

到着ロビーにある両替所は便利ですが、レートはやや不利なことが多いです。初日は最低限（1,000〜2,000バーツ）だけ空港で両替し、翌日以降に市中で追加両替するのが効率的です。

市中でおすすめの両替所：スーパーリッチ（SuperRich）は本当にお得？

市中での両替なら、「スーパーリッチ」や「VASU Exchange」などの老舗両替所が有名です。特に「スーパーリッチ（オレンジの看板）」は、バンコク中心部に複数店舗があり、信頼性とレートの良さから観光客にも地元の人にも人気です。パスポートの提示が必要なため、携帯をお忘れなく。混雑する時間帯を避けて訪れるとスムーズです。

タイバーツへの両替レートを比較するコツ

両替レートは「1万円＝何バーツ」ではなく、「1バーツ＝何円」で見るのがポイント。数字が小さいほどお得なレートです。同じ空港でも窓口によって差があるため、2〜3か所のレートを見比べてから決めると良いでしょう。また、スマートフォンで事前に当日の為替レートを確認しておくと、比較しやすくなります。

高額紙幣ばかりにならないための両替のヒント

両替時には、100バーツ札や20バーツ札などの小額紙幣を多めにもらうよう伝えると便利です。特に屋台やローカル交通では、1,000バーツ札ではお釣りがない場合も。タイ語が不安な場合は、英語で「Can I have small notes, please?（小さいお札でお願いします）」と伝えると対応してくれることが多いです。

現地での支払い方法をマスター！現金・クレジットカード・キャッシュレス徹底比較

タイでは支払い方法の選択肢が増えており、状況に応じて使い分けることが快適な旅の鍵になります。ここでは、現金、クレジットカード、キャッシュレス決済それぞれの特徴と注意点を詳しく紹介します。

現金（タイバーツ）の準備はどのくらい必要？

基本的に現金はタイ旅行に欠かせません。特に屋台、地方の交通機関、小規模店では現金のみの対応が多いため、1日あたり1,000〜2,000バーツを目安にすると安心です。両替後は小額紙幣を多めにしておくと、スムーズに支払えます。金額が大きい場合の支払いにはカードとの併用をおすすめします。

クレジットカードの利用術：使える場所と注意点

バンコクや観光都市では、デパート、ホテル、レストランなどでVISA・MasterCardを中心にカード決済が可能です。ただし、手数料が加算される場合もあるため、レシートの確認は忘れずに。暗証番号の入力が求められる場面が多く、署名のみのカードは使えないことも。渡航前にカードの有効期限と海外利用の設定を確認しておきましょう。

ATMで現地通貨を引き出す方法と手数料

主要都市では至る所にATMがあります。クレジットカードや国際対応のキャッシュカードで現金を引き出せますが、1回あたりの手数料が150〜220バーツかかることが一般的です。利用時は人通りの多い場所や銀行併設のATMを選び、カードの抜き忘れに注意しましょう。PINコード入力が必須なので、渡航前に確認を。

タイのキャッシュレス決済「PromptPay（プロンプトペイ）」は外国人でも使える？

PromptPay（プロンプトペイ）はタイ国内で普及しているQRコード決済システムですが、基本的にタイ国内銀行口座が必要なため、観光客には利用できない場合がほとんどです。ただし、日本の特定のQRコード決済アプリがPromptPayと連携し、一部店舗で利用できるケースも出てきていますが、まだ限定的であるため、過信は禁物です。

デビットカードやプリペイドカードの活用

海外専用のプリペイドカードやデビットカードも選択肢のひとつです。あらかじめチャージしておけるため使いすぎを防げ、レートも比較的安定しています。主要なブランド（VISA、MasterCard）に対応していれば、現地でも問題なく利用できますが、カード払い非対応の場所もあるため、現金との併用が前提です。チャージ残高や引き出し制限も事前確認を。

タイの物価はどのくらい？気になる食費・交通費・観光費をリアルに解説

タイ旅行の魅力のひとつは、コストパフォーマンスの良さ。ここでは、食事や交通、観光などの費用感を具体的に解説し、どれくらい予算を用意すればよいか、実感を持って判断できるようにご案内します。

バンコクの物価：日本と比較して安い？高い？

バンコクの物価は、日本と比べて概ね2〜3割ほど安く感じられる場面が多いです。特に食事や交通費は非常にリーズナブルですが、観光地や高級ホテル、インポート商品は日本と同等または割高なケースもあります。ローカルに近い過ごし方を意識すれば、1日2,000バーツ前後でも十分に楽しむことができます。

食事の物価：屋台料理からカフェ・レストランまで

屋台の定番メニューは、パッタイやカオマンガイなどが50〜100バーツ程度。ローカル食堂では200バーツ以内でしっかり食事ができ、中級レストランなら300〜500バーツほど。おしゃれなカフェはドリンク100〜150バーツが相場です。ルーフトップレストランやホテルディナーなどは1,000バーツ以上が目安となります。

交通機関の物価：BTS/MRT、タクシー、トゥクトゥク

BTSやMRTは17〜62バーツで、観光地への移動に非常に便利です。タクシーは初乗り35バーツで、渋滞がなければ市内の移動も100〜200バーツ程度に収まります。トゥクトゥクは距離に対して割高になることが多く、事前の料金交渉が必要です。Grabは事前料金表示で安心ですが、ピーク時間はやや高くなる傾向があります。

観光地の入場料：主要寺院・施設料金一覧

ワット・プラケオは500バーツ、ワット・ポーやワット・アルンは100〜200バーツが目安です。博物館は200〜500バーツ程度で、特別展示などは別料金が発生することも。外国人料金が設定されている施設が多いため、パスポートの提示が求められる場合もあります。事前に営業日や料金を確認しておくと安心です。

マッサージやスパの料金相場

タイ式マッサージは1時間300〜500バーツが一般的な相場です。観光地の店舗や空港周辺ではやや高くなる傾向があり、800バーツ前後になることもあります。高級スパでは2時間コースで2,000〜4,000バーツ以上する場合もありますが、雰囲気や技術の高さを求める方には人気です。予算と気分に合わせて選びましょう。

お土産の物価：賢く購入するコツ

タイシルクのスカーフは500〜1,500バーツ、ドライフルーツは100〜300バーツ程度で購入可能です。バラマキ用にはスーパーで売られているタイのスナックや調味料も人気。観光地の露店では値段交渉が前提の店もあるため、少し交渉することでお得に買える場合もあります。大量購入の際はまとめ買い割引も交渉してみましょう。

知らないと損！タイ旅行でお金を節約するマル秘テクニック

タイ旅行をよりお得に楽しむためには、ちょっとしたコツや知識がカギになります。ここでは、食事・交通・宿泊・観光それぞれの節約ポイントを実践的にご紹介。限られた予算でも満足感たっぷりの旅を叶えるヒントが満載です。

食費を抑えるなら「屋台」と「フードコート」を活用

現地の雰囲気を味わいながら節約できるのが、屋台とフードコートの魅力です。屋台料理は1食50〜100バーツと圧倒的に安く、味も本格的。衛生面が気になる方は、ショッピングモールのフードコートがおすすめ。衛生的で、プリペイドカード式で安心です。1日3食を屋台とフードコート中心にすれば、食費は大きく抑えられます。

交通費を賢く節約！BTS/MRTの一日乗車券を活用

市内移動が多い日は、BTSの「ワンデーパス」などの一日乗車券を使えば、何度乗っても定額で便利です。特にバンコク観光では、BTSとMRTを併用することで渋滞を避けつつ効率的に移動可能。トゥクトゥクやタクシーは割高になりがちなので、短距離なら徒歩、長距離なら公共交通を基本にすると出費が抑えられます。

無料で楽しめる観光スポットを巡る

タイには無料または低料金で楽しめる観光地が豊富です。例えば、ローカル市場や公園、王宮周辺の散策、寺院の外観見学などは費用ゼロでも楽しめます。ワット・サケット（黄金の丘）など低料金で眺望を楽しめるスポットもおすすめ。ガイドブックや地元の観光案内所で、入場無料の場所を事前にチェックしておきましょう。

ホテル選びのポイント：安くて快適な宿を見つける

宿泊費の節約には、立地と設備のバランスが鍵です。BTS駅近くでアクセスが良いエリアにあるミッドレンジホテルや、設備が整ったゲストハウスなら、価格を抑えつつ快適な滞在が可能。予約サイトの口コミを参考にしつつ、直前割引やプロモーションも活用しましょう。連泊割引や朝食込みのプランを選ぶのも効果的です。

シーズンオフの旅行で航空券・ホテル代を抑える

雨季（6月〜10月）は観光客が比較的少なく、航空券や宿泊費がぐっと安くなる傾向があります。スコールはあるものの、1日中降ることは少なく、観光に大きな支障は出にくいのも特徴。ハイシーズン（11月〜2月）よりも空いていて、ローカルな魅力もじっくり味わえるチャンスです。費用と混雑を避けたい方には特におすすめの時期です。

【重要】タイで「お金のトラブル」に遭わないための安全対策と緊急時ガイド

楽しい旅行も、ひとたび金銭トラブルに巻き込まれると台無しになってしまいます。ここでは、よくあるトラブルの具体例と対策、緊急時の対応方法まで、安心して旅を続けるための実用的な知識をまとめました。

スリ・ひったくりから貴重品を守る方法

人混みではスリが発生しやすいため、リュックよりも前掛けのショルダーバッグやウエストポーチが安心です。スマートフォンの置き忘れにも注意し、屋外ではポケットに無防備に入れないようにしましょう。夜間や混雑エリアではリュックのチャックを手で押さえるなど、常に自衛意識を持つことが大切です。

ぼったくり・詐欺の典型的な手口と見破り方

「今日は寺院が閉まっている」と声をかけてくる親切そうな人や、異常に安い宝石販売への誘導には要注意。こうした詐欺の多くは複数人による巧妙な誘導で、観光客の油断を狙っています。基本的に見知らぬ人からの勧誘や案内は断るようにし、公式チケット売り場やタクシー乗り場を利用するのが安全です。

（例1）タクシーでの「メーターなし」交渉の対処法

観光地周辺では、メーターを使わずに高額料金を要求するタクシーが見られます。乗車前には必ず「メータープリーズ」と伝え、応じない場合は乗車を控えるのが賢明です。Grabアプリを使えば事前に料金が表示され、言葉の壁や交渉ストレスも避けられるので、初心者には特におすすめの手段です。

（例2）観光地での「親切すぎる人」には要注意！

道に迷っていると声をかけてくる親切な人が、実は別の場所へ誘導して高額商品を買わせる目的だった…という事例も報告されています。特に話しかけてくる相手が流暢な日本語を話す場合は、警戒心を持つことが重要です。必要以上に会話を続けず、適度な距離を保つようにしましょう。

ATMスキミング対策：安全な利用場所と確認事項

ATMの中にはスキミング被害のリスクがあるものも。使用する際は、できるだけ銀行の建物内や警備員が常駐する場所にあるATMを利用しましょう。カード挿入口に不審な装置が取り付けられていないか、手で触って確かめるのも有効です。引き出し後はその場で残高や取引明細を確認すると安心です。

万が一の時のために：クレジットカード停止連絡先と大使館情報

カードの紛失や盗難時は、利用停止手続きを迅速に行うことが被害を最小限に抑える鍵です。出発前に各カード会社の海外緊急連絡先をメモしておきましょう。また、パスポートの紛失など万が一の際には、在タイ日本国大使館（バンコク）またはチェンマイ領事館に相談できます。旅先でもしもの備えが、安心につながります。

よくある質問とタイ国政府観光庁公認スペシャリストからの回答

この記事ではタイ旅行のお金に関する情報を幅広く網羅しましたが、旅行前に誰もが抱く具体的な疑問をQ&A形式でまとめました。安心して旅行準備ができるよう、実用的で具体的な回答をお届けします。旅先での不安を減らし、より充実した旅行にお役立てください。

Q1: 両替するなら日本とタイのどちらが得ですか？

A: 基本的にタイ現地の方がレートが良いケースが多いため、必要最小限のみ日本で両替し、残りは現地がおすすめです。特にバンコク市内の「スーパーリッチ」などの両替所は空港より有利なレートが多いです。到着初日は空港で少額を両替し、翌日以降に市中で追加両替すると効率的です。到着が深夜の場合も考慮し、最初の数千バーツは日本で準備すると安心です。

Q2: タイ旅行でカード決済は安全ですか？

A: 大型ホテル、レストラン、ショッピングモールなどでは安心して使えますが、手数料がかかる場合もあります。街中の屋台や小規模店は現金のみが基本です。ATM利用は銀行併設や警備員のいる場所を選び、カード抜き忘れやスキミングに注意を。クレカの海外利用設定と緊急連絡先の事前確認も大切です。多額の現金持ち歩きは避け、現金とカードの併用が安心です。

Q3: 屋台や市場で値段交渉は必要ですか？

A: 屋台の食事は基本定価で交渉不要ですが、観光地の土産市場やローカルの露店では交渉が前提の店もあります。目安として、明らかに価格が高いと感じた場合は「少し安くできる？」と気軽に聞いてみましょう。嫌がられることは少なく、交渉文化もタイ旅行の楽しみの一つです。フードコートやコンビニでは交渉は不要ですので、場面に応じた使い分けが大切です。

Q4: ATM引き出しと両替、どちらがお得ですか？

A: 利便性ではATMが優れますが、手数料（150〜220バーツ/回）が発生するため、頻繁な利用は割高です。一方、市中両替所は手数料が含まれないため、まとまった額なら両替の方がお得になることが多いです。短期旅行なら少額はATM、まとまった額は市中両替が賢明。ATM利用時は昼間の安全な場所で、数回にまとめるのがコツです。

Q5: どのくらいの現金を日々持ち歩くのが安心ですか？

A: 目安は1日1,000〜2,000バーツ程度。交通費・食費・観光費をカバーできます。小額紙幣（20〜100バーツ）を多めに持つとスムーズです。高額な買い物やホテル精算はカード払い推奨。全額持ち歩かず、ホテルのセーフティーボックス活用も安心につながります。夜間や繁華街では特に最低限の現金で行動を心がけましょう。

Q6: タイ旅行で注意すべき金銭トラブルは？

A: 多いのはスリ、ぼったくり、偽札、ATMスキミングです。メーター未使用タクシーは乗らずGrabを活用、偽札対策に紙幣の透かし確認、ATMは銀行併設を利用し不審物チェックを徹底してください。ショルダーバッグやウエストポーチ活用も効果的です。もしもの際はカード会社への緊急連絡と在タイ日本国大使館の利用をおすすめします。

Q7: 現地のチップ文化はどうなっていますか？

A: タイでは厳格なチップ文化はありませんが、良いサービスには少額の心付けが喜ばれます。レストランではお釣りの小銭（10〜20バーツ）を置く、マッサージでは50〜100バーツ、ホテルのポーターや清掃スタッフには20〜50バーツが目安です。強制ではありませんが、感謝の気持ちとして渡すと現地でも好印象です。

まとめ：タイ旅行のお金事情を正しく知って、不安のない旅支度を

タイ旅行では、「通貨の使い方」や「現地でのお金の管理」が旅の快適さを大きく左右します。この記事では、バーツの基本情報から両替・支払い方法、物価の目安やトラブル対策まで、旅行者に本当に役立つ実用知識を幅広くご紹介しました。

事前に知っておくだけで、現地での戸惑いや不安はぐっと減らせます。これから旅行を検討する方は、記事内容を参考にしながら、ご自身の予算や旅のスタイルに合った準備を進めてみてください。気になる情報はブックマークして、家族や同行者と共有しておくのもおすすめです。